医療チーム

栄養サポートチーム（NST）は、週に2回、医師、看護師、管理栄養士、薬剤師でカンファレンスを行い、入院中の患者様の栄養サポートをしています。NSTにおける薬剤師の主な役割は、薬学の知識に基づいた栄養剤や輸液の適正使用と情報提供です。静脈栄養・経腸栄養療法に関する処方設計支援や、病態に応じた栄養製剤の提案、症状に合わせた薬剤の処方提案、中心静脈栄養（TPN）の調製などを行っています。また、医薬品と静脈・経腸栄養製剤との相互作用についての確認や、多職種に対する栄養製剤の適正使用や器具の使用方法についての情報提供も重要な役割の1つです。

感染制御チーム（ICT&AST）は病院内における感染や感染の拡大を防ぐため、さらには職員の健康管理のため、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師などが集まり、それぞれの職能を発揮し活動を行っています。活動内容は、院内感染症例への対応、抗菌薬使用のコンサルティングから手洗いの指導、院内感染対策マニュアルの整備まで多岐にわたります。感染の分野で、薬剤師の職能を発揮できる業務の一つに抗菌薬の適正使用があげられます。TDMが必要とされる薬剤はいうまでもなく、すべての抗菌薬にはそれぞれ特性があり、間違った使い方をすると期待される効果が得られないばかりではなく、耐性菌を生み出してしまう原因にもなります。これらを防ぐため、病院にとって薬剤師、特に感染チームが重要な役割を果たすと考えています。

緩和ケアチームは、医師、歯科医、薬剤師、看護師、栄養士、理学療法士、歯科衛生士、ソーシャルワーカーで構成され、活動しています。医療用麻薬を使用している患者様や緩和ケアチームに依頼のあった患者様を対象に、カンファレンスと回診を行い、疼痛コントロールを含めた症状緩和に努めています。薬剤師としては、痛みの状況や倦怠感・浮腫とがんの進行に伴う各種症状を確認し、症状緩和のための薬物療法に関する処方提案や、患者様への薬剤の使用方法に関する服薬指導、医療スタッフへの医薬品の情報提供、マニュアルの作成・改訂など院内啓蒙を行っています。

普段はがん治療に関連する業務が中心です。当院は外来患者さんが抗がん剤を受ける「化学療法室」があり、薬剤師が2名常駐しています。ほとんどの抗がん剤治療は外来通院で行われており、スムーズに治療が受けられるようにサポートしています。

糖尿病は、自覚症状がないまま進行し、脳卒中や心筋梗塞など生命に関わる合併症を引き起こす可能性があります。そのため早い段階で治療を開始することで合併症を防ぎ、病気のない状態と変わらない生活を送ることが糖尿病治療の目標となります。DMチームでは各々の職能を活かし、患者個人に合わせた食事療法や薬物療法などの指導を行っており、また患者交流会などを通じて、スタッフや患者さん同士で糖尿病に関する知識を深める機会を作っています。
薬剤部では、SMBGやインスリンの手技指導の実施も行っており、患者さん本人が手技を行うのか、難しい場合には家族や訪問看護などの介入は可能か、など退院後も安全に治療を継続できるように、ご家族や退院支援のスタッフとも協力しながら指導を行っています。

周術期管理チームは、麻酔科医師・手術室看護師・薬剤師で構成され、手術を受ける患者様の様々なリスクを回避するために活動しています。術前の薬剤師面談では、術前に休薬するお薬の管理や、術後の悪心嘔吐リスクの確認などを行い、手術の延期を防いだり、副作用を軽くできるようにしています。術後は患者様のもとへ行き、痛みの様子を確認し、鎮痛薬の調整をおこなったりして、チームで術後の痛みを軽減できるように頑張っています。